営業再開「わかやま紀州館」

前号では、社会的距離(ソーシャルディスタンス)の確保に努める都内のタクシー会社の創意工夫を取り上げた。全国を対象とした緊急事態宣言の解除からまもなく1週間。都内の様子を取材した。
千代田区有楽町にある和歌山県のアンテナショップ「わかやま紀州館」は、26日から物産コーナーの営業を再開した。営業時間は午前11時から午後6時までの時短営業で、来店者と従業員の安全確保のため、複数名での来店の回避(状況により入場制限)、他の来店者との距離を保つこと、マスクの着用や消毒液の利用の3点を呼び掛けている。
筆者が訪れたのは28日の開店直後。同館が入る東京交通会館を含め、緊急事態宣言前のにぎわいからは遠いものの、数名の客が来店し店内で好みの商品を求める姿が見られ、徐々に元の日常を取り戻しつつあるが、併設する観光コーナーは休業が続く。
29日、県は6月以降の休業要請の全面解除を発表したが、政府の方針に従い、東京、神奈川、千葉、埼玉、北海道の5都道県からの観光客らの受け入れは6月18日まで控えるよう求め、県外からの受け入れ自粛はこの5都道県を除いた府県のみの緩和となった。首都圏を中心とした観光客へのPRはもうしばらく自粛が続きそうだ。
現在、羽田空港と白浜空港を結ぶ航空路線は全て欠航となり、関西空港便も大幅な減便が続く。観光業の復興に向け政府はさまざまな対策を打ち出そうとしているが、一日も早いコロナウイルスの終息と、観光客誘客に向けた取り組み再開を願いたい。
(次田尚弘/東京千代田区)