心揺さぶる青の世界 由木毅さん写真展

本紙1面隔週水曜に連載する和歌山県和歌山市の写真家・由木毅(ゆうきたけし)さん(76)の展覧会「世界の海に挑戦」が8月9日まで、和歌山市古屋の「ティーズカフェ」で開かれている。色彩豊かな水中写真で知られる由木さんだが、今展は静寂感あるブルーで統一。海中散歩をするかのように青の世界が楽しめる。

由木さんは1500日間にわたって世界各国の海を撮影。「国際写真サロン」で金メダルを多数受賞。全米写真家協会などの招待作家で、国際芸術写真連盟(FIAP)の終身称号を持つ。

パラオやモルディブ、ソロモン諸島などで撮影した12点を展示。店内でひときわ注目を浴びるのは、宮古島で撮影した「未知との遭遇」。らせん状になったソデイカの卵塊が浮遊する姿を捉えたもので「2㍍ほどの不思議な物体に驚き、まるで宇宙にいるような感覚になりました」と振り返る。

その他、悠々と海底を泳ぐエイ、優雅で魅力的なミノカサゴなどを活写。オニカマスの群れを仰ぎ見る角度で写した「スクランブル」は動きや流れのある一枚。水中という制約が多い世界での撮影に「生き物の動きを予測する能力が必要。いかに美しいフォルムの一瞬を逃さず、シャッターを切るかが大事ですね」とにっこり。

その他、夕暮れの片男波海岸に浮かぶヨットを印象的に写した「静寂なる刻」も並び、「少しでも心の癒やしになり、清涼感をお届けできれば。おいしいコーヒーを味わいながら、お楽しみください」と話している。

午前11時から午後5時まで。毎週月・火曜、第4日曜休み。問い合わせは同店(℡073・460・4715)。

神秘的な「未知との遭遇」と由木さん

神秘的な「未知との遭遇」と由木さん