クラスター2件認定 和歌山競輪と訪問介護
和歌山県は7月31日、県内の20~80代の8人が新たに新型コロナウイルスに感染したことが確認されたと発表し、関係の感染者が5人以上となった和歌山競輪場と訪問介護サービス事業所の2件をクラスター(感染者の集団)と認定した。県内の感染者は累計150人に達し、43人が入院している。
同競輪場(和歌山市五筋目)関係の新規感染者は、プロを目指す同市の競輪練習生の20代男性2人。すでに陽性が確認されている選手の濃厚接触者で、症状はない。同競輪場内の閉め切った部屋でマスクをせずに練習し、激しく呼気が拡散する状況だったとみられる。
2人を含め、同競輪場内で一緒にいた選手ら5人が陽性となり、県はクラスターと認定した。
もう1件のクラスターは「はるす・訪問入浴サービス和歌山」(同市園部)の職員と利用者。30日までに女性看護師と女性介護ヘルパーの2人が感染し、31日にさらに濃厚接触者の中から同市の40代男性介護ヘルパーと、同市の80代無職男性、海南保健所管内の60代無職男性の利用者2人が陽性と分かり、感染者が5人に達した。
男性ヘルパーは女性看護師らと一緒に訪問入浴サービスに従事し、29日から発熱があった。病状は安定している。
80代男性は22日、60代男性は24日に訪問入浴サービスを受けており、いずれも症状はない。
この他、新たに感染が確認されたのは、御坊保健所管内の20代男性会社員、和歌山市の20代女性看護師、同市の80代自営業男性の3人。
20代男性は、17日に大阪市内で飲食を共にした同市の友人3人のうち1人が陽性となり、23日に友人から連絡を受けたが、保健所への相談などはしていなかった。28日から頭痛や全身倦怠感の症状が現れ、30日に医療機関を受診し、陽性が判明した。病状は安定している。
20代女性は18、19日に愛知県内の親族宅に出掛け、飲食や宿泊をした。21日から全身倦怠感や下痢などの症状があり、22日に検査をしたが陰性。その後、一緒に愛知県に行った大阪市内の親族が陽性と分かり、再検査で陽性となった。病状は安定している。
80代男性は19日から味覚異常や全身倦怠感があり、肺炎像が認められるが病状は安定している。兵庫県内に帰省した親族との接触があったと分かっている。
また、異常行動が見られ、脳症が疑われていた橋本保健所管内の50代男性は、検査の結果、新型コロナによる脳症と診断された。
記者会見した県福祉保健部の野㞍孝子技監は「身近で感染者が出た後、自分も発熱するなどの症状が出た場合は、行政から濃厚接触者の認定がなくても、保健所に連絡してほしい」と呼び掛けた。