ビル屋上目指し 防災の日に園児ら避難訓練
「防災の日」の1日、むつみこども園(和歌山県和歌山市砂山南、栗林惠園長)で避難訓練が行われ、3~5歳クラスの園児70人が津波避難ビルに指定されている近隣の和歌山合同宿舎に避難した。
同園では月に1回の避難訓練に加えて毎年、東日本大震災のあった3月11日と防災の日に避難訓練を実施。ことしは新型コロナウイルスの影響で3月の避難訓練ができず、1年ぶりの訓練となった。0~2歳児は密集を回避するため同園の屋上への避難となった。
南海トラフ地震が発生すると、同園の周辺には45分ほどで津波が到達すると予測されており、園児は高さ約20㍍になる宿舎の屋上を目指した。
園児は地震発生のアナウンスに合わせて机の下に隠れ、その後ライフジャケットと防災ずきんを身に着けてビルへ向かった。どこに行けばいいか分からず戸惑う園児もいたが、汗をかきながら宿舎の階段を駆け上がっていった。
屋上には9分25秒で到着。年長の栗林実詩乃ちゃん(5)は「階段を上がってくるのが大変だった。ライフジャケットをちゃんと着て、もし地震があったら、みんなで階段を上がって避難しないといけないと思った」と話した。
栗林顕副園長(39)は「1年ぶりになってしまったので、園児の中には感覚を忘れてしまった子もいるようだった。園児は自分の命を守り、職員は誰も失わないようにとの意識を大事にして継続していかなくては」と話していた。