コロナ感染防止策入念に ジストシネマ

新型コロナウイルスの感染拡大により、映画界は映画館の長期休業や新作映画の公開延期、製作の遅れが生じるなど大きな打撃を受けた。ジストシネマ和歌山(和歌山県和歌山市松江向鵜ノ島)では、5月の営業再開以来、「全国興行生活衛生同業組合連合会」(全興連)が作成した新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドラインに基づき営業。安全に安心して映画を楽しんでもらうよう対策し、少しずつ客足が戻っている。

同館では定期的な消毒や従業員のマスクの着用、十分な座席の間隔の確保などの他、7月には同館独自の対策として、入り口に体温を自動で測定するサーモグラフィーを設置し、来館者の検温を行っている。座席は前後左右1席ずつ空けるため、着席禁止の座席にはテープを張って対策している。

また新作については、同じ作品をスクリーン2カ所で上映するなどしているという。現在、洋画の新作公開は止まっている状態で、邦画については順次公開している。

同館では営業再開後、来館者数は例年の半数以下に減っていたが、少しずつ戻りつつあるという。ジストシネマ和歌山の大槻尚宏店長は「少しでも、安全に、安心して映画を楽しんでもらいたい」と話す。

先日、全興連は映画館における空気の流れを“可視化”する「映画館における換気実証実験」を実施。実験では、20分で場内の空気が入れ替わり、映画館が密閉空間ではなく高い換気能力を有していることが証明された。

もともと映画館や演芸場、音楽堂やスポーツ施設などの興行場は、興行場法で換気量が定められており、換気設備で新しい空気に入れ替わっている。映画館では上映中も常に新鮮な外気を場内に送り込んでいるといい、同館は「窓がないので密閉空間と思われがちですが、システムでしっかり換気しています。マスク着用や消毒など、お客さまにもご協力をいただき、安心してぜひ来館してもらいたい」と呼び掛けている。

入り口にはサーモグラフィーを設置

入り口にはサーモグラフィーを設置