ボウリング場で男性を救助 従業員に感謝状

ボウリング場で倒れた男性に救命処置を行い、助けたとして和歌山市消防局は7日、ラウンドワンスタジアム和歌山店(同市小雑賀)従業員の上岡陽子さん(47)と岡田淳也さん(44)に感謝状を贈った。

市消防局によると7月6日、同店でボウリングをしていた男性(63)が倒れたと、男性の孫娘が受付に走って来た。上岡さんは顔を真っ赤にして嘔吐する男性を見て、119番通報をすると同時に従業員全員に連絡。岡田さんはAED(自動体外式除細動器)を持って駆け付け、救急隊が到着するまで親戚の男性と交代で心臓マッサージを続けた。男性は救急搬送されてから数日後に意識を回復し、8月12日に退院したという。

真っ先に男性のもとに駆け付けた上岡さんは、倒れた男性の横で驚いて動けなくなっている孫を見て「この子のトラウマにならないよう、助けなければ」と強く思ったという。岡田さんは過去にも施設内で倒れた人の救助をしたが、中には後遺症が残ってしまった人もおり、懸命に男性の救助にあたったという。

吉野楠哉局長から感謝状を受け取った上岡さんは「とにかく助かってほしいと思った。意識が戻ったと聞いた時は本当にうれしかったし、男性の家族を思うと胸に込み上げるものがあった」、岡田さんは「最初の処置を間違いなく適切にでき、助けられたので本当に良かった」と話した。吉野局長は「訓練しているといっても、AED,通報、心臓マッサージをすぐできるのは優秀なこと。その場で判断するのも勇気が必要だったと思う」と話していた。

男性を救助した上岡さん(前列中央右)と岡田さん(同左)

男性を救助した上岡さん(前列中央右)と岡田さん(同左)