持ち直しも回復わずか 県の景況8月動向
帝国データバンクによる8月の景気動向調査で、企業の景況感を示す景気動向指数(DI)は、全国が3カ月連続改善の29・7(前月比0・6ポイント増)、和歌山県内が4カ月連続改善の31・5(同0・7ポイント増)となった。新型コロナウイルスの影響が続く中、緩やかに持ち直しがみられたが、わずかな回復にとどまっている。
全国のDIは、全10業界のうち「運輸・倉庫」や「製造」など7業界が前月よりプラスになったものの、全業界で40を下回る低水準での推移が続いた。
業界別のDIは、「製造」が25・9(前月比1・0ポイント増)、「運輸・倉庫」が25・4(同1・2ポイント増)で、改善はしたが30を下回る厳しい水準。「小売」は30・3(同0・7ポイント減)、「農・林・水産」は31・0(同0・4ポイント減)でいずれも3カ月ぶりの悪化となった。
県内DIの全国順位は前月の16位から13位に上昇し、近畿2府4県ではトップ。全国のDI29・7、近畿のDI28・1との差はいずれも拡大した。
規模別では、大企業は38・9(前月比7・9ポイント増)に改善し、中小企業は30・7で前月から横ばい。業界別では、製造業が31・4(同3・3ポイント増)で5カ月ぶりに30を上回り、非製造業が31・5(同0・2ポイント減)でやや悪化した。
先行きの見通しは3カ月後が32・5(前月33・8)、6カ月後が33・6(同34・3)、1年後は36・8(同37・6)で、全ての時点で悪化となった。
同支店は、数値上は改善を示しているが、企業からの明るい意見は少ないことから、「急速な景況回復には材料が乏しく、県内景況は低位での推移が続くものと考えられる」としている。
調査は8月18~31日にインターネットで行い、対象2万3689社(県内129社)のうち1万2000社(同63社)が応じ、回答率は50・7%(同48・8%)だった。