西光万吉の功績偲ぶ 没後50年で記念集会
部落差別の撤廃を訴え、大正時代に「水平社宣言」を起草したことでも知られる西光万吉の没後50年を記念した集会が20日、和歌山県紀の川市の古和田会館であり、約40人が参加した。
実行委員会が主催。西光は1895年に奈良県で生まれ、晩年を妻の故郷である同市打田町で過ごし、1970年に亡くなった。記念集会はことし3月に開催の予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により延期となっていた。
実行委の根来公士会長は「今日なお社会に差別や格差といった人権問題、世界に紛争や戦争の種は尽きない。西光先生の没後50年に際して尊敬の念を新たにし、人権尊重と住みよい社会、平和な世界の実現のためさらに精進することを誓い合いたい」とあいさつした。
集会では、部落解放同盟奈良県連合会執行委員長の川口正志さん、元部落解放同盟中央本部執行委員の大賀正行さんが講演。西光万吉と郷里が同じで交流のあった川口さんは、西光の人柄について「穏やかで優しく、信望が厚かった。先を見通した考えを持っていた」と話していた。