大規模オフィスの移転推進 県が奨励金創設
新型コロナウイルスの影響で大都市圏から地方へ企業の分散の機運が高まっていることを受け、和歌山県は20日、大規模オフィスの県内移転を促進するため、100人以上の転入雇用を実現する場合に最大10億円を補助する新たな奨励金の創設を発表した。仁坂吉伸知事は同日の定例記者会見で「チャンスだと思っている。(奨励金を)一つの武器にして大いにセールスをかけていきたい」と話した。
コロナ禍によりリモートワークの普及が進み、東京一極集中を見直す動きが加速している。県は、首都圏からのアクセスの良さや全国トップクラスのネットワーク環境、オフィス賃料の安さなどのビジネス環境と、住宅や教育、医療など快適な生活環境を備える和歌山の強みをPRし、ICT(情報通信技術)企業などの大規模オフィスの誘致を進める一環として、今回の奨励金を創設した。
本社機能の一部移転などを行う企業が県での操業開始1年後までに100人以上の転入雇用(転勤、UIターン採用など)を実現した場合、企業からの住居手当などの半額を補助し、最大10億円を給付する。従来の企業誘致に関する奨励金の限度額は累計3億円で、大幅なアップとなっている。
さらに、不動産開発事業者が入居オフィスを整備して奨励金の該当企業を誘致し、100人以上の転入雇用を実現した場合には、オフィス建設費用の3分の1、最大10億円を補助する。
進出企業と、受け皿づくりに取り組む企業の両面への支援事業となっており、事業費は2021年度当初予算案に組み込む方針。