障害者自立支援法訴訟団が全国一斉会見

 厚生労働省が障害者自立支援法の改正案を今国会に提出する方針を固めたことについて、同法違憲訴訟の原告団・弁護団らは5日、全国14カ所で一斉記者会見を開き、平成22年1月に交わした基本合意を守るよう訴えた。和歌山市では和歌山弁護士会館で元原告の大谷真之さん(37)らが出席し、「骨格提言を無視したことは絶対に許せない。すごく憤りを感じている」と強調した。

 国は、平成25年8月までに同法を廃止することなどについて原告団・弁護団らと基本合意を交わし、和解が成立。基本合意に基づく当事者参加の「障がい者制度改革推進会議総合福祉部会」で、昨年8月30日、新法の骨格提言(委員会答申)がまとまっていた。

 和歌山弁護団の長岡健太郎弁護士は、政府が改正法案を国会へ提案することは司法で決まった和解を覆す行為とし、「厚労省の出した法律案は骨格提言や基本合意に全然沿っていない。元の自立支援法を延命するような内容の法律になっている」と強調。大谷さんは、「約束を果たさない国の態度は許すことができない。基本合意を忘れず、障害者福祉を考えてほしい」と訴えた。

 同法は、福祉サービス利用料の原則1割の自己負担を求めるという内容で、同法の廃止は民主党政権がマニフェストに掲げていた。