紀の川河口大橋と青岸橋

前号では、人と物流の玄関口として国際拠点港湾に指定された和歌山下津港を取り上げた。進路を北に進め、間もなく見えてくる青岸と地域を結ぶ橋を紹介したい。
青岸は紀の川の河口部に位置し、市のごみ処理施設などが存在する。市は二つの焼却施設を設置。青岸エネルギーセンターは昭和61年に竣工。一日あたり400トンの焼却能力を持つ。
隣接する形で青岸クリーンセンターがあり、平成10年に竣工。一日あたり320トンの焼却能力を持つ。いずれも、蒸気タービン式の発電機を備え、発電した電力を施設で使用し余剰電力は電力会社へ売電。熱は暖房や給湯に使用するなど有効利用が行われている。
これらの施設の竣工と時を近くして開通したのが紀の川河口大橋。青岸から見て紀の川の北側を結ぶ橋で、紀の川の南側と青岸を結ぶ青岸橋と連結し、紀の川で南北に分かれた湊地域を結んでいる。空から見ると、青岸から真っすぐに延びる紀の川河口大橋と、ループ橋と赤色のトラス橋が特徴的な青岸橋の存在がよく分かる。
紀の川河口大橋は平成4年に開通。通称・みなと大橋。延長700㍍、うち橋長は521㍍で、交通量が多い紀ノ川大橋や北島橋のバイパスとして市街地の交通緩和を目的とする。有料道路事業として実施したため、通行は有料(普通車100円)であったが、平成22年8月から無料開放されている。
橋からは雄大な紀の川と瀬戸内海、和歌山城を含む市街地が一望できる風光明媚なスポット。ドライブして和歌山の良さを感じてほしい。
(次田尚弘/和歌山市上空)