SDGsで企業発展へ 東洋ライス雜賀社長講演
和歌山県経営者協会(木村明人会長)は27日、和歌山市七番丁のモンティグレ(ダイワロイネットホテル和歌山)で、会員を対象にした講演会を開催。同会相談役の東洋ライス㈱の雜賀慶二社長が「実際のSDGsとは」をテーマに話した。
同会は7月に「SDGs宣言」を行い、国連が掲げる持続可能な開発目標「SDGs」経営を推進する一環で同講演会を実施。雜賀社長は、家庭排水の米のとぎ汁に含まれる物質が海水で富栄養化して植物性プランクトンが大発生し、水質汚染の原因になることを説明。同社は環境汚染を防ぐため、1991年に米の表面に付着している肌ぬかを取り除いた米のとぎ汁が出ない「BG無洗米」の開発に成功。植物の成長に必要な栄養素(窒素・リン酸・カリウム)を含む取り除いた肌ぬかを副産物として、野菜の肥料や家畜の飼料に有効活用できる有機質肥料「米の精」を製品化し、循環型農業への貢献に努めている。
2019年11月、日本企業で初めてスイス・ジュネーブの国際連合欧州本部で開かれた「国連ビジネスと人権フォーラム」で、BG無洗米によるSDGs活動を発表。現時点で開発目標17項目のうち14の目標を達成し、一般社団法人日本SDGs協会理事の雜賀社長率いる同社はトップランナー企業としてSDGsを実践している。
雜賀社長は「SDGsの取り組みは行政・企業・住民の3者による協力が大切。それぞれ役割が異なることを知り役目を果たすことが重要。3者が連携して行動してこそSDGsが実現する。そして一般消費者に認められることで、結果的に企業の発展につながる」と提言した。
木村会長は「会員皆さんの経済活動が持続可能な経済成長へとつながり、社会的課題解決の糸口になれば」と話した。