海の玄関口「和歌山マリーナシティ」

前号では、日常を忘れられる豊かな空間として身近な無人島である友ヶ島の歴史と魅力を取り上げた。今週は進路を大きく南に変え、和歌山市南部に位置する人工島「和歌山マリーナシティ」を紹介したい。
和歌山マリーナシティは1994年に開催された世界リゾート博に合わせ開発された人工島。島内にあるテーマパーク「ポルトヨーロッパ」をはじめ、食事や地場産品の購入ができる「黒潮市場」に加え、温浴施設、ホテルなどの存在は、和歌山市を代表する観光地の一つとしてその役割を担ってきた。近年は冬季に行われるイルミネーションイベント「フェスタ・ルーチェ」が人気を博し、県内外から多くの観光客が訪れている。
島の魅力は豊かな海に面していること。島内のヨット倶楽部は、国土交通省から「わかやまマリーナシティ海の駅」の登録を受けている。海の駅とは一般利用者に開放された船舶係留施設で、その地域への海からのアクセスを促進しようとするもの。プレジャーボートやヨットで訪れる人のために短時間の停泊ができるビジターバースを用意し、給油や給水、応急修理のスペースなど、船舶に関する基本的な設備を提供。また、周辺にあるレジャー施設や海鮮市場、温泉、宿泊施設などを利用してもらうための地域の情報発信基地としての役割も担っている。全国に171カ所あり、県内には、湯浅、由良、田辺、那智勝浦など計6カ所が登録されている。
一般利用者における海からの玄関口となる和歌山マリーナシティ。海の魅力を生かしたまちづくりの拠点としてさらなる発展を期待したい。
(次田尚弘/和歌山市上空)