コロナ患者の個人情報 和歌山市が誤送信
和歌山市は22日、新型コロナウイルスの感染者414人分の名前や年齢などの個人情報を含む資料データをメールで外部に誤送信したと発表した。同日までに誤送信先との連絡は取れていないが、市は、情報の悪用などは確認されていないとしている。
市によると、市保健所の課長級職員が19日、自宅で資料を作成するため、自身の個人メールアドレス宛てに資料データを送信するよう部下に指示。翌20日、メールが届いていなかったため確認したところ、課長級職員が誤ったメールアドレスを伝えていたことが分かり、不着の場合のエラーメールも届いておらず、外部に誤送信されたことが判明した。
誤送信されたデータには、昨年2月13日から今月17日までの市内の新型コロナ感染者全414人の名前や年齢、性別、入院機関名、可能性のある感染経路などの個人情報が含まれていた。
市の内規である「情報セキュリティポリシー」では、個人情報を含む重要情報の庁外への持ち出しには所属長の許可が必要とし、個人のメールアドレスへの送信を禁じる規定はなく、メールでの送信時にはパスワードの設定などの暗号化を求めている。
今回の誤送信の場合、課長級職員自身が許可権限を持つ所属長であり、個人情報が含まれたデータであることの確認を怠り、暗号化が必要との認識がないまま部下に送信を指示したという。
誤送信先には、届いたメールの削除と市への連絡を依頼するメールを送ったが、22日時点で返事は届いていない。
記者会見した市健康局健康推進部の濱野吉淳部長は「関係者の皆さまに心より深くおわび申し上げる」と陳謝。個人情報が誤送信された414人には電話で謝罪し、再発防止を徹底するとしている。