トルコに友情の義援金 向山さんに感謝状

トルコ西部イズミル県南部のエーゲ海で発生した大地震の被災地支援のため、和歌山県と県内市町村が一体となって募った義援金に多額の協力をしたとして、エコガス㈱(海南市下津町)の向山精二代表取締役に16日、呼び掛け人の仁坂吉伸知事と田嶋勝正串本町長から感謝状が贈られた。

1890年、遭難したトルコ軍艦エルトゥールル号の乗員を懸命に串本の人々が救助して以来、日本・トルコ友好の原点の地である和歌山からトルコの被災地を支援しようと、昨年10月30日の地震発生を受け、11月5日からことし1月末まで義援金を募集し、253件、794万1555円が集まった。

向山さんは、このうち300万円を寄付。アマチュア作曲家として、両国の友好の歴史を題材にした「紀伊の国交響組曲」第5楽章「友情」を作曲し、トルコの国立交響楽団などを指揮し、今回の地震で被災したイズミル県をはじめ両国各地などで演奏しており、NPO法人「エルトゥールルが世界を救う」の特別顧問も務める。

県庁知事室で仁坂知事から感謝状を受け取った向山さんは、2011年の東日本大震災の時、トルコのライオンズクラブから45㌧の飲料水が届けられたエピソードや自身のトルコでの演奏活動を紹介し、今回の寄付に込めたトルコへの感謝の思いを披露し、「これも日本とトルコの絆ですね」と感慨深く語った。

仁坂知事は義援金への協力に感謝し、トルコのハサン・ムラット・メルジャン駐日大使との会見の際、大使が向山さんへの謝意を話していたことも伝えた。

向山さんは、10月に県内で開かれる「紀の国わかやま文化祭」で初演を予定している新作、「紀伊の国交響組曲」第6楽章「世界津波の日」を、イズミル県で演奏する構想も話していた。

 

感謝状を手に向山さん㊧と仁坂知事