コロナやデジタル化で議論 和歌山市議会7会派代表質問
開会中の和歌山市議会定例会は1日、7会派による代表質問を行い、新型コロナウイルス対策、まちなか活性化、デジタル化推進、文化振興など多様な市の課題を巡って議論が展開された。
【自民党市議団】
中谷謙二議員は新型コロナに関する情報発信の在り方について質問。尾花正啓市長は、自治体リーダーからの発信は重要であり、さらに工夫していく考えを示し、「誰一人取り残さないためにも、多くの方の声に耳を傾け、迅速に対応していく」と述べ、ワクチンの早期接種への取り組みなどで、市民の不安を少しでも和らげるとした。
【公明党議員団】
中尾友紀議員は市役所周辺の活性化などを質問。尾花市長は、和歌山城ホールなどへの導線を強化するため、市道中橋線を「歩行者に優しい空間」とし、水辺空間を楽しむ京橋親水公園の整備を進めると答弁した。さらに、市や都市再生推進法人を中心に立ち上げた「まちなかエリアプラットフォーム和歌山」の活動により「官民連携による取り組みを進めていく」と述べた。
【政和クラブ】
芝本和己議員は、秋開催の「紀の国わかやま文化祭」に関連し、文化芸術関係者のネットワーク構築などを提案。尾花市長は、和歌山城ホールに、文化芸術団体が交流できるサロン的なスペースを設けることも検討するとし、「(各団体の)連携により、新たなイベントが創出されるよう働き掛け、市の文化芸術の広がりや水準が向上発展していくよう努める」と述べた。
【共産党議員団】
井本有一議員は、生活保護申請の大きな障害となっていると指摘される「扶養照会」をすべきでないとして、市長の見解をただした。尾花市長は、市では扶養照会について個別に慎重な検討をした上で、扶養の可能性が期待できない扶養義務者には照会をしていないとし、「今の時代や実態に沿った形で運用していく」と答弁した。
【民主クラブ】
山本忠相議員は、デジタル推進課の新設などによる市職員の働き方改革について質問。尾崎拓司総務局長は、デジタル技術を活用した業務改善を進めることにより、従来は長い時間を要した事務作業を省力化し、相談業務や複雑な判断を要する業務などに人的資源を振り向けられると説明。「超過勤務の縮減や職場環境改善など、職員の働き方改革を進めていく」と述べた。
【和歌山興志クラブ】
浜田真輔議員は、新型コロナの感染者やワクチン非接種者に対する誹謗中傷、差別などへの考えや対策を質問。尾花市長は、人権侵害はあってはならないことを市報やホームページ、ツイッターなどを通じて啓発し、昨年12月にはインターネット上での人権侵害についての相談窓口として「ネット110番」を開設したことなど、取り組みを説明した。
【日本維新の会】
山野麻衣子議員は市立博物館の運営方法などを質問。管理運営を県立博物館に任せてはどうかとの提案に尾花市長は、県立博物館と業務のすみわけをしつつ、連携を強化しながら市で管理運営していくのが適切との考えを示した。また、近隣に復元整備予定の有吉佐和子邸など他施設との回遊性について、「さまざまな仕掛けを検討していく」と述べた。