包装デザイン考えよう 和工で産学官交流事業

和歌山県立和歌山工業高校(和歌山市西浜)で4日、産学官交流事業が開かれ、同校産業デザイン科の1年生40人が野上木工㈱(本社=海南市船尾、野上義幸社長)の商品パッケージを題材にデザイン案を製作した。

和歌山市商工振興課と同校、同社が連携。産業振興や地域経済の活性化を目的に実施した。1911年創業の同社は、同市毛見の工場で、国内唯一となる国産の木製タンブリンを製造。現在では、タンブリンや和太鼓など、約45種類の打楽器を扱う。

この日、野上社長と共に同校を訪れた同社の野上祐人さん(30)は、ほぼ手作業で、手間ひまかけて作られるタンブリンの製造過程について説明した上で、「作られる様子を想像しながら、環境や自然を無駄にしないSDGsや、和歌山らしさを入れてデザインしてください」と呼び掛け、約40年変わっていないという同社タンブリンのパッケージデザインへの新しい風を期待した。

野上社長(74)は、「これまで閉鎖的な会社でなかなか新しいものを受け付けない風習があったが、若い人の力で訴求力のあるデザインにつながれば」と話し、生徒らがデザインする様子を見つめていた。

タンブリンを山に昇る太陽に見立てたものなど、生徒らは約90分かけて個性豊かなデザインを描いた。山本敦也君(16)は「元のデザインには書かれていない『国産』の文字を、丸いフォントで柔らかい雰囲気になるように入れました」話し、講評で野上さんが「自分たちでは思い付かないような素晴らしいデザインで表現してくれました。思いを形にしていくアウトプットの気持ちを日々磨いていってください」と伝えた。

 

生徒らのデザインを見つめる野上社長㊧