仁坂知事「退くも進むも地獄」 TPPの影響試算
県は、 日本が環太平洋連携協定 (TPP) に参加した場合と、 しない場合の県内主要産業への影響額を試算した。 参加した場合は農林水産業で年間約136億円の産出額減、 参加しない場合は輸送自動車関連、 電気電子部品などで同約137億円の生産額減としている。 7日の県議会定例会で仁坂吉伸知事が浅井修一郎議員 (自民) の一般質問に答えて分かった。
県企画総務課によると、 参加した場合は、 現在TPP交渉に参加の姿勢を見せている東南アジア諸国連合、 韓国、 カナダ、 メキシコなどを含め、 18カ国の参加を想定。 関税の撤廃により輸入品の増加が予想され、 海外の生産物と競合する可能性が高い農産物、畜産物、 水産物、 林産物 (年間産出額1億円以上のもの)への影響額を試算した。 食品輸出は年間350万円増えるとしている。
参加しない場合は自動車、電気・電子、 機械産業など工業分野の輸出で、 韓国製品との競争による影響が予想され、17カ国を対象に経産省の分析ベースを基に算出した。
仁坂知事は 「TPPから退くも進むも地獄。 入った場合と入らない場合、 どういう影響があり、 どう対処するかが十分国民に提示されていない。 政府は正しい選択をし、 それに対し、 どう手当をするかなどを示すべき」と述べた。