和歌山の観光発信に有効 世界遺産との相乗効果

 2012年を皆さんはどのように迎えられただろうか。 帰省した家族や親戚との団らん、 初詣、 友人とカウントダウン。 県内外のさまざまな場所で三が日を過ごされたと思う。

 筆者は奈良市の春日大社へ初詣に行った。 ご存知の通り、 春日大社は 「古都奈良の文化財」 として世界遺産(文化遺産)に登録されている。 「古都奈良の文化財」 は、 春日大社や東大寺、 薬師寺、 春日山原始林など、 奈良の市街地にある寺院から構成されている。

 春日大社は三が日で約50万人が参拝するという。 元日の午後に参拝したが長蛇の列でなかなか本殿までたどり着かない。 1300年もの悠久の歴史から築かれてきた文化や信仰心、 奈良の市街地というアクセスの良さが、 多くの観光客や参拝者を迎え入れているのだろう。

 奈良市に住む親戚に尋ねれば、同じく世界遺産である「法隆寺地域の仏教建造物」が隣接。観光資源が集中していることから、より深く文化に触れることができるという。

 和歌山県にとって身近な世界遺産である 「紀伊山地の霊場と参詣道」 は、 和歌山県、 奈良県、 三重県にまたがる霊場(吉野・大峰、 熊野三山、 高野山)と参詣道(熊野参詣道、 大峯奥駈道、 高野山町石道)が対象。 奈良に比べ広範囲であることは明らかで、 アクセスも満足ではないかもしれない。

 しかし、 和歌山には城下町、 風光明媚(めいび)な景観、 温泉、 海水浴場、 海の幸、 山の幸など、 世界遺産との相乗効果が期待できる資源であふれている。 世界遺産と合わせ、 より和歌山の魅力に深く触れてもらえる細かな情報が、 和歌山の観光発信に有効であると感じた。
        (次田尚弘/広島)