餅で「土に還る植木鉢」研究中 和工

 究極のエコに挑戦。和歌山市西浜の県立和歌山工業高校(西英雅校長)科学技術クラブは1年前から、「廃プラスチックリサイクル装置」を使い、土に還る植木鉢の研究に取り組んでいる。植木鉢は廃材の木くずと賞味期限が切れた餅を利用し、形を作る。3カ月前に作った植木鉢が崩れずに形を維持していることで同クラブは手応えを感じている。

 原材料は建築科がバイオディーゼル燃料(BDF)を取り出した後に残った木くず。そこに賞味期限が切れたり、カビが生えて食べられなくなった餅を混ぜて成形することで自然に還るエコな植木鉢が完成する。

 同クラブは平成22年度からこの装置を使い始め、本来の用途であるペットボトルのリサイクルに使っていた。顧問の西垣内郁久教諭(43)は「一度のリサイクルで終わってはいけない」と、違った観点からエコにつなげられるよう、生徒と共に研究班を立ち上げて植木鉢を作り始めた。しかし、木くずの割合が70%を超えたところで植木鉢のふちが取れてしまい、行き詰まってしまった。

 西垣内教諭は研究中、溶けて固まったプラスチックの形が餅に似ていたことから、食べられなくなった餅を利用することを思い付いた。試行錯誤を繰り返してたどり着いたのは、レンジで温めて軟らかくした餅に木くずを混ぜて麺棒で伸ばし円状にし、機械で成形する方法だ。

 2年生の太田達也君(17)は「自然に還せる物作りを極めていきたい」とチャレンジ精神旺盛に話している。