もう一つの甲子園 派遣審判員の前坂さん

 甲子園(兵庫県西宮市)で熱戦が繰り広げられている春の選抜高校野球。 県内で唯一、派遣審判員として大会に参加したのが紀の川市桃山町元の会社員、前坂金哉さん(36)だ。

 高校野球の審判は毎年、 メーンの全国大会審判員の他、 近畿、 関東、 中部など8地方から1人ずつ派遣として採用している。 前坂さんは所属する県高野連の推薦を受け選ばれた。

 大会では派遣8日間の滞在のうち3試合を担当。 滞在最終日 (27日) の関東一高 (東京) ―別府青山 (大分) 戦では、 勝敗に直結する3塁審を担当。 1―0の緊迫した試合で、 判定を続けた。

 高校の選手時代からの夢だった甲子園の参加に前坂さんは 「審判には次の試合があっても、 選手たちは負ければ終わり。 すごく責任を感じました」 と振り返り、 今後について 「この経験をスタートとし、 また甲子園の審判を任されるよう正確な判定を続けます」 と話していた。