海で溺れた女性救助 井上巡査に本部長表彰
海で溺れている和歌山市の無職女性 (40歳代) を救助した和歌山北署地域課自動車警ら班、 井上勇偉巡査 (30) が25日、 山岸直人本部長から表彰を受けた。 井上巡査が表彰を受けるのは初めてのことで、 「自分が頂いていいのかという気持ちです」 と話している。
11日午前10時25分ごろ、同市本脇の西脇漁港船上場付近の海で 「女性が海に入っている」 と同漁港組合員から110番通報があった。
無線を聞いた井上巡査がパトカーで現場急行すると、 陸から約6㍍離れた海で顔だけ海面に見えている女性を発見。 パトカーに積んであるロープで救助を試みたが女性の頭が海に沈み始めたため、 とっさに服のまま飛び込んだ。 井上巡査は泳いで女性のもとにたどり着くと、 脇の下から手を回し抱え込んで陸まで運んだ。 女性はその後市内の病院に運ばれ、命に別状はなかった。
井上巡査は、 靴や服を着たまま海に飛び込んだことについて 「無我夢中だった。 助けなきゃという気持ちで反射的に行動していた」 と振り返った。 水泳は得意ではないが、 高校時代は和歌山工業高校の野球部に所属していた。
井上巡査は平成19年4月に拝命。 警察官を志した理由は、友人の警察官に 「やりがいがある仕事だ」 という話を聞いたためだといい、「実際に市民の人から感謝されることも多いです」 と話す。今回の救出については「警察官として当たり前のことです」 とし、 「これからも今まで通り困っている人を助けていきたい」と話していた。