「ものすごう、うれしいわ」和歌山弁講座の井口さん
本紙金曜付1面の人気連載「そらそうと」の文章担当、井口博文さん(49)=㈱ユメックス代表取締役=がDJを務めるエフエム和歌山(87・7MHz)の番組「朝の和歌山弁講座」が、第14回近畿コミュニティ放送賞の娯楽番組部門で2位に輝いた。井口さんは「エフエム和歌山のみんなのおかげでええもんもろて、ものすごう、うれしいわ」と喜んでいる。
「和歌山弁を徹底的に調査追求する完全娯楽番組です」と淡々と始まる3~4分の番組。平日午前7時台に2回放送している。
和歌山弁を一つ取り上げ、外国語講座のように例文などを読み上げる。ピックアップする和歌山弁は井口さんが独断で選んだもの。井口さんのおっとりとした口調に沸々としたおかしみがある。
同放送局では、本紙連載コーナーと連動し、平成21年に1時間番組「いぐっちゃんと歌舞ちゃんの和歌山弁講座」をスタート。井口さんの旧知の仲である、大阪出身で和歌山市在住のミュージシャン・歌舞さんと共演し、歌曲の一部を和歌山弁にして歌う「ワカペラ」のコーナーなどを展開している。受賞番組は同番組の短編版として放送されている。
井口さんは同市出身。もともと口調がゆっくりしており、お年寄りに「えらい古い言葉知ってるなあ」と言われることが多々あったという。仲間内でも「和歌山弁といえば、いぐっちゃん」という認識があり、本紙連載に結び付いた。
井口さんは「特別な環境にいた訳でもなく、両親は有田出身で、そのまま受け継いで話してるという感じかな」と話す。
投稿などで番組に参加してくれるリスナーも多い。番組がインターネットで聴くことができるサイマルラジオに対応するようになり、和歌山出身の海外移住者から「和歌山弁に聞こえる外国語の早口」なども送られてくるようになったという。
井口さんは同放送局でDJデビュー。「初めは『やったことないし』と戸惑ってたけど、今はやってよかったと思ってる」といい、「地域の関係性が希薄になる中、和歌山弁を見直すことで、朝のあいさつなど大事にすべきものを守りたいという思いもある」と話す。
番組は今後、CD化する予定もあるという。