ペイントアーティストさとうたけしさんがライブ
宮城県を拠点に国内外で活躍しているペイントアーティスト、さとうたけしさん(34)が10日、和歌山市東坂ノ上丁の市立雄湊小学校(福田光男校長)で「ローラーアート」のライブパフォーマンスを行い、全校児童208人が間近で見るスピード感と迫力に目を輝かせた。和歌山はまゆうライオンズクラブ(古川雅之会長)が主催。芸術を通して和歌山と東日本大震災被災地をつなぎ支援しようと企画した。
さとうさんは19歳で単身渡米し、壁画技術を独学で身に付け、数多くのテーマパークやレストランなどの壁画を手掛けている。
ローラーだけで描くライブは日本だけでなく海外メディアからも注目され、震災後はフランスや米国など海外のチャリティーイベントに参加し寄付を募る活動を続けている。
さとうさんは児童らに「青一色で5分で『龍』を描く。ローラー1本で、どうやって表現するか見てもらいたい」と話し、縦140㌢×横250㌢のターポリン生地に向かい、音楽に合わせて作品を完成させた。息をのみながら見つめていた児童たちからは、大きな歓声と拍手が沸き起こった。
その後、6年生の児童6人が代表して、さとうさんとの合作に挑戦。桃色と水色のアクリル絵の具で自由に色を重ねていった。最後はさとうさんに引き継がれ、黒色が加わり青空の下で咲く満開の桜が完成した。
代表児童の一人、6年1組の川島弓弦君(11)は「いつもは筆を使っているので変な感じがしたけど楽しかった。落書きが立派な桜になってすごいなぁ」と驚きの表情。さとうさんは「諦めないでトライすれば必ず認めてくれる人がいる。それをペイントしている背中を通して伝えたい」と話していた。
古川会長(31)は「夢をかなえている人を目の前にすることで、子どもたちの自分の夢をかなえる力になれば」と話していた。