「見えた!」太陽のほくろ 金星が日面通過
太陽の前を金星が横切り、 黒いほくろのように見える 「金星の日面通過」 が6日、 各地で観測された。 和歌山市は台風3号による影響が心配されたが青空が広がり、 絶好の観測日和になった。
紀美野町のみさと天文台は同日朝、 同市の南海和歌山市駅前で出張観望会を開催。 小望遠鏡2台や日食グラスを出勤通学途中の人たちに無料で貸し出した。
天文台職員は 「次に見えるのは105年後。 その時晴れるか分かりませんよ」 と通行人にPR。 「珍しい天文ショーを楽しんで」 と呼び掛けた。
同日午前7時10分ごろ、 金星の日面通過が始まった。 望遠鏡をのぞいた人たちは、 「ちっちゃ!」 「初めて見た」 などと口々に感動を分かち合っていた。 望遠鏡からは、 太陽面の左側からゆっくりと移動する金星の様子が確認できた。
観測に訪れた同市北島の西畑雅弘さん(72)は 「金星が存在することを実感できた。 わくわくしたね」 とにっこり。
和歌山市本町のきのくに信用金庫(香山正人理事長)本店駐車場でも、 天体望遠鏡2台を使って来店者らが金星観測を楽しんだ。
天文ファンの同金庫職員、 池端弘幸さん(59)が自身の観測機材で実施。 来店者や通行者が次々に訪れ、 「すごくきれい」 「ここを通ってよかった」 と観測会は好評だった。
池端さんは 「天気がよくて、 大勢に見てもらえてうれしい」 と話していた。
午後1時50分ごろまで7時間近く観測できた。 次は105年後の2117年12月11日。