華岡青洲を知る特別展 21日~和歌山市立博物館

 世界で初めて全身麻酔による乳がんの手術に成功した紀の川市生まれの医師・華岡青洲(1760~1835)の足跡をたどる、和歌山市立博物館(同市湊本町)の夏季特別展「華岡青洲の医塾―春林軒と合水堂」が21日から8月26日まで開かれる。

 特別展は、青洲に麻酔薬開発や乳がん手術のヒントを与えたと考えられる資料をはじめ、青洲の医塾兼病院である「春林軒」や「合水堂」での学生たちの教育や患者の治療に関する資料、同時代の医師・緒方洪庵の資料などで構成。青洲の還暦時の肖像、手術時にかけていた眼鏡、患者の病状や治療場面が描かれた絵巻物「華岡家治験図巻」など初公開を含む約220点の資料を展示する。

 期間中は3回の講演会を予定。日程やテーマは、28日「出雲国に伝播した華岡流医術―大森家史料を通して」(梶谷光弘・島根県出雲市立斐川西中学校長)▽8月11日「江戸時代の医療―華岡青洲とドラマJIN―仁―をくらべて」(酒井シヅ・順天堂大学名誉教授)▽18日「医塾春林軒と合水堂」(高橋克伸・同館総括学芸員)となっている。

 午前9時~午後5時(入館は4時半まで)。月曜休館。入館料は一般・大学生400円、小中高校生100円(土曜は市内の小中高校生は無料)。問い合わせは同館(℡073・423・0003)へ。