物品購入時、登録県産品優先へ 和歌山県が全国初
県は物品の購入に当たり、あらかじめ登録した県産品を優先して調達する制度を創設し、4月から開始する。予定価格160万円以下の簡易公開入札では、全国の都道府県で初めて県産品の優先基準を設け、同等品との価格差が1・1倍以内なら登録県産品を優先する。27日の定例会見で仁坂吉伸知事が発表した。
県によると、新制度は、昨年12月に施行された県中小企業振興条例に、県の責務として「紀州の地酒等の県産品の利活用に率先して取り組む」などと規定されたことを受けて行うもの。県発注の建設工事ではすでに、県産資材を優先使用する努力義務規定、積極的な使用を評価する制度などを実施しており、工事以外の公共調達に県産品優先を拡大する。
新制度で登録する県産品は、県内で生産された素材が3分の2以上、県内で付加された価値が製品価格の4割以上、などの要件を満たす製品を対象に県内事業者から募集する。2月に募集を始め、本年度内に一覧表を作成する予定。
簡易公開入札では、登録県産品と同等品の見積額を比較し、価格差が1・1倍以内なら登録品を優先する。県庁内各課に通知する物品調達指針に明記する。
また、他の一般競争入札でも登録県産品からの調達を検討する。看板や記念品の制作などの業務では仕様書に県産品資材の活用推奨を明記して発注し、県主催の会議、委員会などで使用するペットボトルの茶や水には県産品を使用する。
仁坂知事は「市町村や民間にも、県にならって、できるだけ県産品を使ってもらうよう働き掛けていく」と話した。