制定求める意見書可決 手話言語法

 手話が日常的に使われる社会を目指す「手話言語法(仮称)」の制定に向けて県内でも活動が広がっている。25日に御坊市、26日に和歌山市、27日に県の定例議会で、国に制定を求める意見書が可決された。7月には田辺市議会でも可決される見通し。県聴覚障害者協会(福田美枝子会長)は残る県内市町村でも9月議会での意見書可決を目指し、活動を進める。

 国連の障害者権利条約(2006年採択)や障害者基本法(11年改正)で「手話は言語」と規定されたことを受け、全日本ろうあ連盟が手話言語法案を作成。早期制定に向けた取り組みが全国各地で展開されている。

 26日現在、議会で意見書が可決された自治体数(同連盟本部事務所への報告数)は都道府県が21、市町村が266となっている。

 また独自に手話言語条例を制定する自治体もあり、昨年10月に鳥取県が全国で初めて施行。来月1日には佐賀県嬉野市が全国5例目となる条例を施行する。

 27日、県議会には県聴覚障害者協会の会員ら約35人が傍聴に訪れ、審議を見守った。櫻井貴浩事務局長(41)は「意見書が可決され、ほっとしている。法が制定されることで、どこにでも手話通訳がつき、緊急時などの不安や生活の不便が解消されることを期待」。福田会長(58)は「全国のろう者の思いはみんな同じ。一日でも早く法が制定されるように取り組んでいきたい」と話した。