幻想的な光 ひぎりさん万灯会
「ひぎりさん」の名前で親しまれている海南市鳥居の日限浄土寺(角豊光住職)で24日、夏の風物詩「万灯(まんとうえ)」があり、ろうそくとLED電球合わせて約1万4000の明かりが幻想的な夏の夜を演出した。
この日は家内安全や無病息災などを祈る日限地蔵の縁日。万灯会は夏祭りが途絶えていた同寺に、にぎわいを取り戻そうと平成20年から行われ、7回目。今回は20年以上は開かずの間だったという境内の「日限浄土寺大書院」が約4年間の改修を終え、開放された。
参道の両側には、びんや竹、紙などで飾られたろうそくがずらりと並べられ、極楽浄土に往生する信仰心を細い清らかな道にたとえた浄土教の語「二河白道(にがびゃくどう)」が表現された。日没になると、ろうそくの火が境内を温かく包み込み、参拝者は「きれいやなー」と語りながら明かりを見つめていた。
また、これまでは仏にささげる経は本堂で読み上げられていたが、今回は海南市内を一望できる大書院で行い、角住職は参拝者と向き合う形で経を上げた。