避難所運営など実践 海南で防災訓練
海南市で9日、地震、津波を想定した市内一斉防災「5万5千人みんなで訓練」があり、住民らが万が一への備えや意識を強めた。
午前9時、南海トラフ巨大地震が発生し、大津波警報が発表されたと想定。市内全域の携帯電話へメールが一斉配信され、防災行政無線放送から大津波警報の発表、避難を促すアナウンスやサイレンが鳴り響いた。
市民らは身を守る安全行動をとって揺れが収まった後、沿岸部はすぐに津波避難。雨の中、かさを差して足早に津波避難場所へ向かう姿が見られた。黒江船尾地区では、黒江小学校の児童と地区が建物倒壊による道路封鎖の想定で実践的に実施。6年生が誘導やスタッフとして熱心に動いていた。
内陸部は地区、施設、事業所で安否確認。巽、中野上、北野上の重点3地区では避難所運営が行われた。巽地区では巽中学校体育館に約500人が集まり、地域の各会・団体メンバーが本部と6班に分かれて活動。5つの体験メニューを用意した。巽小6年生と巽中学校生も避難者やボランティア役で参加。炊き出し・配食訓練では中学2年生の女子がアルファ米でおにぎりをつくり、男子が配る作業で連携して協力した。
この他、阪神・淡路大震災の被災者が巽小と東海南中の児童・生徒に、県職員が北野上と中野上小の児童に講演。県災害時緊急機動支援隊による避難所の現地調査や国土地理院による防災アプリ(避難誘導)実証実験があった。