向陽高が100周年野球試合 浪商と
来年4月に創立100周年を迎える、和歌山市太田の県立向陽中学校・高校(旧・海草中学校、にえ川恒弘校長)で8日、「海草・向陽創立100周年プレイベント」が開かれた。大阪体育大学浪商高校(旧・浪華商)硬式野球部を招いた記念試合が行われ、在校生や卒業生ら約1300人が応援に駆け付けるなど、100周年に向けて機運を高めた。
海草中は戦前最後、浪華商は戦後最初の全国大会優勝校。甲子園での直接対決はないが、戦後60年を記念した第87回夏の甲子園では、両校主将が開会式の入場行進、始球式を務めた。以来、継続的に交流試合を行うなど親交が深い。
試合を前に、向陽13期生で紀の川市長の中村愼司・100周年実行委員長が「来年の100周年を記念すべく、いろいろなことを計画し、『よかった』と思ってもらえるようにしたい。きょうの試合頑張ってください」とあいさつした後、両校の校章と、野球ができることの幸せを込めた「今、平和の喜びかみしめて」という言葉を刺しゅうした盾を両校野球部に贈った。
向陽58期生で野球部OBの田村祐摩さんが投手、中村委員長が打席の始球式で試合が始まった。向陽は1回裏、宮井佑輔(2年)の満塁弾で勢いにのると、2回に1点を追加。浪商は2回表に2点を返すと、7、8回ともに1点を加点。9回には3点を追加し、逆転。2点を追う向陽は最終回、打線がさえ、同点に。向陽ファンからの声援を受け、7―7で引き分けた。
試合を終え、満塁弾を放った宮井君(17)は「たくさんの方が応援してくれていて、向陽の歴史を感じました。伝統を守っていきたい」と笑顔。向陽の堀内孝貢監督(64)は「野球ができる平和に感謝。次の時代を担う両校の生徒が、あらためて平和について考えるきっかけになれば」と話した。
にえ川校長は「両校の新たな歴史の一幕に、きょうの試合が刻まれた。100周年に向け、機運を盛り上げていきたい」と話していた。
この日は記念試合の他、生徒や教職員が「100 海草・向陽」の人文字を作って航空写真を撮影。向陽57期生で〝けん玉先生〟として知られる向井智哉さん(和歌山市立西和佐小教諭)による講演もあった。
向陽中・高は大正4年に県立海草中学校として開校。昭和23年に県立向陽高校と改称し、平成16年に向陽中学校が併設され、中高一貫校となった。100周年記念式典は来年11月に行う予定。