援農キャラバン 下津で14人が住込
蔵出しみかんの産地、海南市下津町で15日から、農業や田舎暮らしに興味がある若者たちが共同生活をしながら農家を手伝う「援農キャラバン」の仕事が本格スタートしている。
地域活性化に取り組む一般社団法人「Vコミュニティ」(牛飼勇太代表)=神戸市=のプロジェクトで、高齢化、後継者不足で人材確保に悩む農家と農業、田舎暮らしに関心の高い若者をマッチング。牛飼さん(33)が農家との調整を行い、フェイスブックで若者の参加を募った。4月から7月まで京都の茶産地で試み、今回が2カ所目。市坪の農家8軒が受け入れ、県外の22~39歳の男女14人が12月下旬まで収穫を中心に働く。
男女とも市坪地内に住み込み。男性は空き家、女性は農家の一室を借り、共同で生活しながら、それぞれ仕事に出ていく。この日は日暮れまで汗を流し、一緒に夕食。「おつかれさ~ん」と明るい声を響かせ、大阪・寝屋川市からの濵田直翔さん(22)は「農家さんとの関係が短期や季節バイトよりいい。楽しく役に立てれば」、大阪市の脇阪弘一さん(24)は「自然も人も最高にいいところ。頑張ったので、お腹がぺこぺこです」と爽やかに笑顔を見せていた。
男女1人ずつを受け入れている東本光弘さん(44)は「すぐに仕事を覚え、よくやってくれていますし、コミュニケーションもうまくとれそう。これから1カ月半、けがなく仲良くやってほしい」と期待を寄せ、にっこり。牛飼さんは「交流会も開くつもりです。単なる労働と雇用ではなく、人と人のいい関係が生まれれば。援農が若者の移住や定住につながり、農家さんの労働力不足を解消できたらいいですね」と話している。