トライアンズ存続なるか NBL会見へ

バスケットボール男子のナショナルリーグ(NBL)は、資金不足から経営破綻した「和歌山トライアンズ」を存続させるか廃止するかなどの判断を行い、14日午後6時、東京都内で記者発表する。活動停止が明らかになった7日以降、ブースターらがチームの存続策を模索し、募金活動を開始するなど、存続運動の声がNBLの判断に影響されるかが期待される。

NBLの丸尾充理事長は7日に行ったトライアンズ退会届受理の記者会見で、チーム存続に向けた新たな支援者の存在も口にしたが、チームが今季存続するには5000万円が必要とされており、不透明な状態。NBL事務局は、「現段階では、劇的な支援者が現れない限りは厳しい状態。しかし、経営の先行きが見えるような形になれば存続判断もあり得る」と説明する。

10日には、トライアンズ所属の和歌山市出身の寺下太基選手(34)などの呼び掛けにより、同市の西松江緑地体育館でバスケットボールイベントが実現。ブースターら約200人が集まり、子どもを対象にしたバスケ教室やゲームなどを楽しんだ。会場には、チームの活動停止直前に完成し、試合で日の目をみることができなかった横断幕が掲げられ、チーム存続に向けてブースターがあらためて心を一つにした。

今季、横断幕制作や存続運動を中心的に展開しているファン団体「和歌山トライアンズをこよなく愛する者達の集い」の竹末憲司代表(41)は、「本来なら後半初戦で掲げたかった横断幕でしたが、ブースターの目にふれる機会があり良かったです」とし、「チームの存続に向けて、やれることはやりたい」と最後まで望みを捨てない意欲を示した。

イベントを中心的に進めた寺下選手は「大勢に応援してもらえた気持ちが肌で感じることができた。自分たちは、存続のわずかな可能性に懸けている」と、前向きな考えを述べた。

仁坂吉伸知事は、13日の定例会見で「まだ完全になくなったわけではないので、県民市民がなんとか存続させたいという気持ちも残っている」とした上で、「倒産した会社に県がお金を出すのは無理だが、県には4000人の職員がいる。私もそうだが、それぞれが応援することはやって良い」と全庁的に、職員に寄付を募る形で、支援する考えを明らかにした。

尾花正啓市長も9日の定例記者会見で、「もう一度復活してもらえるように県などとともに、支援を考えたい」とチーム存続を望む意思を示している。

今季のために制作した横断幕を掲げるブースターら

今季のために制作した横断幕を掲げるブースターら