【AR】桐蔭が夢舞台へ 53年ぶりのセンバツ

 第87回選抜高校野球大会(3月21日~12日間、阪神甲子園球場)の出場32校を決める選考委員会が23日、大阪市の毎日新聞大阪本社で開かれ、県勢は21世紀枠で桐蔭(和歌山市吹上)が選ばれた。昭和37年の第34回以来53年ぶり16回目。春夏合わせて3回の優勝を誇る伝統校が夢舞台で文武両道の輝きを見せる。

 午後3時4分、岸田正幸校長(58)の元に吉報の電話が入り、岸田校長がグラウンドで待つ選手たちに報告。「本校の伝統が甲子園に連れて行ってくれる。そのことを今一度かみ締め、大会まで練習に励んでほしい。32校のうちの1校として勝ちにいってください」と激励した。ナインは伊藤将監督(34)を胴上げし、帽子を放り上げて喜びを爆発させた。

 桐蔭は明治30年創部の古豪。春、夏とも第1回大会から、これまで春15回、夏20回出場し、春に1回、夏に2回の優勝を飾っている。県内有数の進学校でありながら部活動との「文武両道」を実践。粘り強い守備と切れ目のない打線を持ち味に、最後まで諦めない姿勢を貫く。

 昨年秋の新人戦でベスト4入り。県2次予選では優勝した箕島に1回戦で敗れたが、最終回に追い上げを見せて接戦を演じた。以降、グラウンドには「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)」(成功のために苦労に耐える)の文字。この敗戦を忘れないよう練習に打ち込んでいる。

 吉報を受けて伊藤監督は「OBの皆さんがいて、歴史があっての出場。感謝の気持ちでいっぱいです。伝統に恥じないよう、桐蔭のユニホームだけでなく、強く、勝つ姿を見せたい」と抱負。石井佑典主将(2年)は「県代表として他の学校の分も頑張らなければならないと思っています。『文武両道』で得点はくれない。そのことを言い訳にせず、どんな相手でも堂々と戦いたい」と意気込みを示した。

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 仁坂吉伸知事 選抜大会出場、本当におめでとうございます。晴れの大舞台甲子園では、日頃の厳しい練習で鍛え抜いた技と力、文武両道で培った精神力を存分に発揮し、伝統校らしいはつらつとしたプレーで、悔いの残らないようベストを尽くしてください。

 尾花正啓和歌山市長 古豪復活、誠におめでとうございます。夢舞台である甲子園で、日ごろの練習成果を思う存分に発揮し、紫紺の優勝旗を目指し、一戦一戦、全力で戦ってください。「古豪」にふさわしいプレーで、市民の方々に感動を与えてくれることを期待しています。 

出場決定に喜びを爆発させるナイン

出場決定に喜びを爆発させるナイン