投票率アップに懸命 海南・海草、岩出

 県議選(12日投開票)は終盤戦を迎え、海南市・海草郡(定数3)、岩出市(同2)の各選挙区でも候補者は連日、声を枯らし、支持拡大を図っている。各陣営は投票率の低下を懸念し、ハンドマイクで身近に住民とふれあったり、新興住宅地で選挙に関心の薄い若年層へ訴え掛けるなど、それぞれの戦略を展開している。

 【海南・海草】新人1人が現職3人に挑む構図の海南市・海草郡では、海南市と海草郡が合区した平成19年以来、無投票が続き、票の行方は見えづらい状況となっている。
 定数22に23人が立候補した昨年の海南市議選(当日有権者数4万5578人)の投票率は60・27%。うち、旧海南市(同3万4939人)は57・90%、旧下津町(同1万639人)は68・09%で、旧下津町の方が選挙への関心が高いことがうかがえる。
 昨年の知事選も、海南市の41・35%に対し紀美野町は55・07%と高い。旧海草郡に地盤を持つ自民現職の方が投票率の影響は小さそうだ。
 海南市を地盤に持つある陣営は「海草郡から票を得るのは難しい。海南市で支持を得なければならない」と話し、旧海南市の投票率アップを目指し、活動を展開。旧海南市では、自民と共産の現職、維新の新人による票取り合戦が活発になっている。
 昨年12月の衆院選では、海南市と海草郡を合わせた比例代表の得票で、自民が9946票、維新が7601票、共産が3252票を獲得しており、維新への票がどう動くかが焦点になりそうだ。

 【岩出市】
これまでの市の投票率をみると、平成24年の市長選は台風の影響もあり、35・04%(前回46・98%)と大幅に低下。翌年の市議選では、町時代を含めて過去最低の47・99%だった。昨年12月の衆院選は45・57%と、さらに下回っている。
 投票率を上げようと、ある陣営では、新興住宅地で街頭演説をしたり、政党のビラをポスティングするなど懸命な活動を展開。別の陣営は知人や親族を通して、選挙に関心の薄い若年層の取り込みに動いている。
 7日現在の期日前投票者数は1152人と前々回(前回無投票)より増加しているが、関心が高まっているのか当日投票に行けない人が多いのかは定かではなく、投票率は「50%を切る」との見方は強い。スーパーへ買い物に来た無職女性(21)は「あまり興味がないので投票に行くか迷っている」。あるカップルは「何の選挙ですか?」と話し、選挙があることをまだ知らない有権者がいるのも現状だ。