「特許庁長官表彰」受賞 デュプロ精工
デジタル印刷機などの開発・製造を手掛けるデュプロ精工㈱(紀の川市上田井、池田弘樹社長)は、経済産業省・特許庁の平成27年度知財功労賞で、知的財産権制度活用優良企業として「特許庁長官表彰」を初めて受賞した。このほど東京都内で表彰式が行われ、池田社長が伊藤仁長官から賞状を受け取った。
知財功労賞は、毎年4月18日の「発明の日」にあわせ、知的財産権制度の発展や普及に貢献した個人や、同制度を有効に活用し、円滑な運営や発展に貢献のあった企業などを表彰している。
同社は、大手競合メーカーに対しても技術や商品で優位性を保てる体制を構築しようと、約20年前からさまざまな特許を出願。顧客製品開発部門に知的財産室を設け、国内をはじめ、アメリカやイギリス、フランス、中国などの海外に毎年約50件、これまでに約1000件の特許を出願している。
また同部門では、新人を一般社団法人日本知的財産協会が主催する社外の知的研修に参加させたり、配属5年以内の社員には、月に1回のペースで知的財産に関するテストを行ったりするなど、スキルの向上を図っている。中堅クラス以上の開発員には年に1回程度、特許調査に関する社内研修を実施している。
自社のオンリーワン技術も発揮している。平成15年に発案し、工業高等専門学校の教員と共同で開発した世界初のトナー除去装置搭載の小型製紙装置「RECOTiO」(レコティオ)は、同23年に発売。従来の製紙装置は数100㍍の規模だが、同商品は5㍍の大きさにまで縮小した。その過程において、90件近い特許を申請している。
20年前から取り組んできたこれらの活動が高く評価され、今回の受賞に至った。
池田社長は「取り組んできたことが評価され、賞状をいただき感動が湧いてきた。これからもお客さまに驚きと喜びを提供できる商品を開発していきたい」と話している。