国体・大会の経済効果810億円と推計
「紀の国わかやま国体・大会」の県内への経済波及効果は約810億4100万円とする推計を、関西大学の宮本勝浩名誉教授(70)らが発表した。近畿には約1061億7000万円の波及効果があるとしている。国や県のデータ、他イベントの経験などを参考に、施設整備費、大会運営費、選手や関係者、観覧者、ボランティアの消費支出額などから算出した。
44年ぶりに開催される和歌山国体を盛り上げようと和歌山市出身の宮本名誉教授と、大阪府立大学の王秀芳客員研究員(40)が検証した。
報告書によると、施設整備と運営にかかる費用は県が約328億5100万円、市町村が約200億7700万円で、計約529億2800万円=表1に内訳=。
国体(県内開催競技)と大会の選手・関係者(推計15万2730人)が交通、飲食、買い物などにかける消費支出額は、1人当たり日帰り1万3989円、宿泊する国体関係者4万7588円、宿泊する大会関係者5万3105円、全体で計約35億6999万円と推計した。
観覧者(推計62万6921人)は約87億3004万円=表2に内訳=、ボランティア(同1万9256人)は約1926万円、報道関係者(同延べ916人)は約1374万円の消費支出を行うと予想している。
また、リハーサル大会参加者の消費支出額は約2億2422万円、両大会マスコット「きいちゃん」募金グッズの売上は約1991万円、企業の協賛額は約2億6344万円などとし、全体の経済波及効果を算出した。
県国体推進局は「両大会を盛り上げようと本県出身の宮本名誉教授から推計の申し出があったことに感謝。経済に大きな好影響を与えるのではないかと推計された。これを一過性のイベントとせず、スポーツ合宿誘致、観光振興など、波及効果を持続できるようにチャンスを生かしていきたい」と話している。