中学生に戦争体験語る 高齢者施設で交流

現代の子どもたちに和歌山大空襲があった事実を知ってほしいと、和歌山市西庄の社会福祉法人やつなみの「グループホームやつなみ」で、戦争を体験した9人の施設利用者と中学生の交流会があり、施設利用者たちは当時の状況を記憶の限りに語った。

戦争体験を伝えたのは、70代から94歳までの女性7人。市立西脇中学校の生徒会役員5人が聞いた。昭和20年の大空襲時には、学校を卒業し、仕事に就いていた利用者もおり、記憶はいまだ鮮明。現在の南海電鉄に勤めていた女性は、「空襲当時は駅に勤務中で、乗客を先に避難させ、爆撃後にまちを歩くと、線路の上は、亡くなった人でいっぱいだった」と脳裏に焼き付いた記憶を話した。

また、丸正百貨店に勤めていたという女性は、「私は店にはいなかったが、空襲が始まると、店長や従業員、付近住民も事務所があった地下室に逃げ込み、爆撃を受け、逃げられずに大勢が死んだ」と悲しい事実を紹介した。

その他、幼いながらも命からがら逃げた体験や、戦地の父親や空襲に遭い亡くなったきょうだいなどの話を包み隠さずに伝えた。

参加した濱口優香さん(15)は「私たちのおばあさんも、戦争を経験していない人が多くなっているので、実際に体験した皆さんの話を聞いて、悲惨な戦争を忘れてはいけないと感じました」と話していた。

中学生に空襲の恐怖を伝える体験者

中学生に空襲の恐怖を伝える体験者