米僧ジェシーさん参列 粉河寺の不断経会

紀の川市粉河の粉河寺(逸木盛俊管長)では、戦没者の冥福と平和を祈って約130人が「平和の鐘」を打ち鳴らし、精霊送りの法要「不断経会」には米国人僧侶が参加し、祈りをささげた。

「平和の鐘」は紀北ユネスコ協会(浅井義久会長)が毎年、終戦記念日に開催しているもので、今回は地元の粉河高校の有志らが参加。正午の時報に合わせて黙祷した後、一人ずつ鐘を打った。

その後、戦時中、米の代用食として食べられていた「すいとん」が振る舞われ、参加者は当時をしのびながら味わっていた。

午後1時から「不断経会」が行われ、4時間にわたって観音経を読誦。ことしは、アメリカから来日し、埼玉県の持明院で修行中のジェシー・ロバート・ラフィーバーさん(34)が参列した。

ジェシーさんは仏教に興味を抱き、10年ほど前に来日、平成19年に得度した。厳しい修行を経て、昨年3月から本格的に僧侶として活動している。先月から西国三十三所の巡礼を始め、この日は3番札所の同寺を訪れていた。

法要に参列したジェシーさんは「非常に貴重な体験をさせてもらった。70年の平和がこのまま続くことを願っています」と話していた。

法要に参列したジェシーさん

法要に参列したジェシーさん