第20回記念「夕鶴」 市民オペラ23日公演

和歌山市民オペラ協会の第20回記念定期公演「夕鶴」が23日午後2時から、和歌山市民会館小ホールで開かれる。「夕鶴」は、日本オペラ不朽の名作で、同会にとっても念願の作品。同会会長で、総合プロデューサーを務める多田佳世子さんは「和歌山で、これほど質の高いオペラは今後見られないのでは、と思うほど素晴らしいものが出来上がっています」と自信をのぞかせている。

同会は平成7年の定期公演「切絵とふるさとのうた」、オペラ「おこんじょうるり」を皮切りに、オペラ発祥地のヨーロッパ作品をはじめ、日本の古典芸能などを題材に、上質なオペラを提供し続けてきた。

「夕鶴」は團伊玖磨作曲、木下順二台本・脚本。日本の代表的な民話「鶴の恩返し」を基にした、鶴の化身「つう」と若者「与ひょう」の、切なく美しい情愛物語。1952年の初演以来、全国で800回以上上演されている。つう役を同市の久保美雪さん、与ひょう役を清水徹太郎さんら実力派メンバーで届ける。

また、今回は劇団ZEROの協力を得て結成された、子どもたちによる「和歌山市民オペラジュニア」も出演。元気いっぱいの歌声と生き生きとした演技が随所に光る。

演出は、オペラ演出で高い評価を受ける岩田達宗(たつじ)さんが担当。指揮は江田司さん。オーケストラは和歌山市交響楽団。

出演者は連日稽古を重ね、岩田さんから細やかな演技指導を受けている。多田さんは「超一流の演出家を迎え、20回の記念公演ができるのは夢のよう。私たちの持てる力を存分に発揮したい。子どもたちのはつらつとした姿にもご期待ください」と笑顔。学生時代から、同会のほとんどの公演に関わってきた久保さんは「歌わせていただけることへの感謝の思いで、体当たりで挑みます。つうの、内に秘めた強さも表現できたら」と意気込んでいる。

前売り5000円(当日5500円)。全席自由。チケットは同館や和歌の浦アート・キューブ、市内の各コミュニティセンターなどで取り扱っている。問い合わせは同協会(℡073・446・0101)。

公演に向け稽古を重ねる出演者

公演に向け稽古を重ねる出演者