水泳の中村、陸上の生馬ら2冠達成
第15回全国障害者スポーツ大会「紀の国わかやま大会」は24~26日の3日間、和歌山市を中心に県内各地で13の正式競技とオープン競技が行われた。県選手団「チーム和歌山」は、大会新記録を出した水泳の中村智太郎(31)、陸上競技の生馬知季(23)がともに2種目で1位に輝くなど、多くの選手が活躍した。
水泳は同市の秋葉山公園県民水泳場で行われ、生まれつき両腕がない中村は25日、50㍍の男子自由形と平泳ぎ(障害区分=両上腕切断、両上肢完全、片前腕・片上腕切断)に出場。自由形は41秒49、平泳ぎは38秒12でともに大会新記録をたたき出し、見事2冠を達成した。
兵庫県出身、4歳から橋本市で育った。5歳から「溺れないように」と親の勧めで水泳を始め、平成12年からジャパンパラリンピックで7連覇。アテネパラリンピックで銅メダル、ロンドンパラリンピックで銀メダルを獲得するなど、世界のさまざまな大会で入賞してきた。
現在は週6日練習し、一日3000㍍泳ぐという。今回の2冠達成に「自己記録の更新が目標だったのでうれしい。楽しみながら泳ぐことができた」と喜び、「今後は来年3月にあるリオデジャネイロパラリンピックの選考会と、9月のリオに向けて頑張りたい」と意気込んだ。
水泳はその他、岩田圭司が25㍍自由形、有家紀子と畑晃二が25㍍の自由形と平泳ぎ、上田榮子が50㍍と25㍍の自由形で1位となった。
陸上競技は紀三井寺陸上競技場で行われ、車椅子の生馬は24日の男子200㍍(障害区分=下肢まひで座位バランスあり)で大会新記録となる27秒57、25日の100㍍で15秒13を記録し、ともに1位となった。
200㍍では他の選手を寄せ付けない力強い走りを見せ、後半も他選手に距離を詰められることなくゴールした。だが結果については「大会前から大会新記録を目標にしていた。目標は達成したが、タイムには納得していない」と悔しがった。
県立海南高校2年生の時に陸上を始めた。競技の魅力について「努力が足りなければそれなりの結果で返ってきて、努力すると良い結果でくる競技」。今大会のために週3回のトレーニングを週5回に増やし、力任せに漕ぐのではなくフォームを意識した練習をしてきたという。今後は「タイムを25秒前半にして東京パラリンピックに出場したい」と語った。
陸上はこの他、岡室陽造、泉中條子、西岡俊明(大会新)、宮崎郁矢がジャベリックスロー▽立花崇と築地克彦がジャベリックスローと砲丸投げ▽西村文邦、黒川真菜、堀井伴哉が100㍍▽嶋本展仁が200㍍▽廣畑賢がスラロームと50㍍▽澤田留司と宮本高志が立ち幅跳び▽鈴木敏美がソフトボール投げ▽野尻誠と山本昂城が1500㍍と800㍍▽嶋田拓生がジャベリックスローとソフトボール投げ▽落合隆也が走り高跳び▽若林峯子が走り幅跳び―で1位となった(水泳、陸上ともに結果は25日終了時点)。