見ごろ迎える「紅葉」 あなただけの名所探しを
前号では実りの秋にふさわしい、日高地方で魅力的な農作物を生産者がじかに販売する「軽トラ市」の話題を取り上げた。
日に日に秋の深まりを感じるこの季節。県内でも標高が高い地域から次第に紅葉の見ごろを迎えている。現在最も見ごろを迎えているのが標高500㍍前後の地域。紀北エリアであれば丹生都比売(にうつひめ)神社周辺などがそうだ。今週は紅葉の仕組みとその魅力にふれたい。
紅葉は樹木が冬に葉を落とすための冬支度。秋になり気温が下がりはじめると、葉への糖分や水分の供給が止まり葉緑素が壊れる。するとカロチノイドという黄色の色素が浮き出て見え黄葉するのがイチョウなどの樹木。また、葉に残った糖分によりアントシアニンという赤色の色素ができると、モミジなどに見られる赤い紅葉となる。
紅葉の始まりは最低気温が6~7度になるタイミング。その日からおよそ20日後が見ごろの目安。紅葉の良しあしを決めるポイントは、日中の天気、寒暖差、適度な水分の3点。糖分は光合成により生成、夜の気温が低いことにより蓄積され、鮮やかな赤になるという。
乾燥は落葉する前に葉が枯れてしまうため、渓流や川沿いなど一定の湿度が保たれる場所が紅葉の名所となるケースが多い。
お住まいの地域周辺で上記のような条件がそろう場所はどこだろう。情景を思い浮かべ訪れてみれば意外な発見。あなただけの紅葉の名所に出合えるかも。
(次田尚弘/高野山)