県教委が教員3人処分 中傷や体罰で
県教育委員会は15日、元同僚の女性を中傷するビラをまいた海南市立小学校の女性教諭(50)を懲戒免職、生徒に体罰を行った和歌山市内の県立高校の男性教諭(40)と同市立中学校の男性講師(31)を共に戒告の懲戒処分とした。
県教委人事課によると、女性教諭は平成26年5月から27年10月にかけて、既婚者である元同僚の自宅周辺に「(元同僚が)不倫をしている」と事実無根の内容を記したビラ200枚以上をまき、貼り紙をするなどして中傷した。同年11月には県迷惑防止条例違反容疑で海南署に逮捕された。
県教委に対して女性教諭は「(元同僚は)仕事が順調にいっていてうらやましかった」と動機を説明し、「多くの方に迷惑を掛けてしまった。おわびの気持ちを持って生きていきたい」と話しているという。
野球部監督の男性教諭は27年11月、私服で登校してきた元部員の3年生の男子生徒に生活態度の指導を行った際、生徒が反抗的な態度で教諭に近づいたことでもみ合いになり、教諭は平手で生徒の頬を2回たたいた。また胸をつかもうとしてきた生徒の手を振りほどこうと押し返した際、生徒がバランスを崩して転倒し、頭を打った。
生徒に外傷はなかったが、教諭は保健室に連れて行き、生徒と家族に謝罪。前任校でも野球部員の頬をたたくなどの体罰で訓告を受けており、男性教諭は「以前も訓告の指導を受けているにもかかわらず、このようなことを起こしてしまい後悔と情けない気持ちでいっぱい」と話しているという。
野球部副顧問の男性講師は27年11月、授業中にガムをかんでいた1年生の男子生徒の足や腹部を蹴り、頭をたたいた。生徒は授業をした教員と担任の教諭から指導を受けたが、指導されている様子を見ていた講師があらためて指導した際に体罰を行った。
講師は同年5月にも同じ生徒の指導の際、頬を平手打ちし、同8月に市教委から文書訓告を受けていた。生徒に対し「また注意されてるやんか」「何度言っても分からんのか」と感情的になってしまったという。
本年度の教職員の懲戒処分は8件(うち免職5件)となり、昨年度の4件(同2件)を上回った。県教委は「各学校で再発防止に向けて取り組んでいただくよう、厳しく指導をしていきたい」と話した。