科学技術で文科大臣表彰 県内2社の2人
科学技術に関する研究開発などで顕著な成果を収めた者をたたえる平成28年度「科学技術分野の文部科学大臣表彰」の創意工夫功労者賞に、県内から剤盛堂薬品㈱岩橋工場の片山真起子さん(39)、スガイ化学工業㈱和歌山事業所の辻本哲也さん(41)の2人が選ばれ、22日、県庁で伝達式が行われた。 同表彰は昭和35年から実施。2人は平成26年度県発明考案表彰を受け、県が推薦していた。
片山さんは錠剤容器の取り出し口を工夫し、1~3錠ずつ確実に取り出せる中栓を開発。この中栓を使った薬は売上が前年比3倍に増え、「手汗で薬が変色した」などのクレームがゼロになった。
辻本さんは、空気に触れるとすぐに分解してしまうような薬液の製造に関し、薬液を空気に触れさせずに釜から取り出す方法を考案。生産性が高まり、この方法で製造した製品は初年度の売上1億円を達成した。
伝達式では岡本圭剛商工観光労働部長が2人に賞状を伝達した。
片山さんは「長期間の研究が表彰に結び付いてうれしい」、辻本さんは「私一人でできた案件ではなく、みんなのおかげ。良い方向へ若手の刺激になれば」と喜んだ。