避難所の衛生面を改善 日赤救護班が報告
熊本地震の被災地で活動してきた日赤県支部の中大輔・医療社会事業部長(51)が27日、和歌山市の日赤和歌山医療センターで活動報告会見を開いた。
中部長は救護班第2班として21日に派遣され、熊本県南阿蘇村で最も大きな避難所、南阿蘇中学校で24日まで活動した。
車中泊を含めると約1000人が避難生活をしており、トイレも体育館も土足で衛生環境が非常に悪化。ストレスなどで体調不良を訴える人や、ノロウイルスによる下痢の患者も増えていたという。
第2班は衛生面を改善するため、ボランティアたちの協力を得て、廊下や体育館内の消毒、雑巾がけ、ブルーシートの設置を行い、住居エリアの土足禁止を徹底。他にも感染症拡大を防ぐための隔離場所の確保などを行い、最大30人ほどいた下痢の患者は終息に向かっていった。
現地では和歌山県薬剤師会が派遣した、全国に4台しかない薬局機能を持った車両「モバイルファーマシー」と偶然出会い、協力して活動した。中部長は「持っていける薬の量は限られているので本当にありがたかった。(同車両を)もっと増やしてほしい」。26日からは第3班が現地で活動中、27日から5月1日までは第4班が派遣され、「避難生活が長期化し、今後は心のケアが一番大事になる」と話した。