一人一人の「固有時間」 山本さん初写真展
和歌山市の山本令央さん(23)の初の写真展「固有時間」が8日まで、同市十一番丁のギャラリーTENで開かれている。
山本さんは現在、放射線技師を目指す専門学校生。旅が好きで、3年前から旅先のスナップをカメラに収めるようになったという。
「みんな同じように流れる時間の中でも、一人ひとりの時間の密度は、さまざま。それぞれの人が考えていることや思いを、一枚に写し込みたい」と山本さん。
会場に並ぶのは、国内外で心引かれた瞬間を写した19点。
人に焦点を当てたスナップが中心で、パリの街角でシャボン玉のパフォーマンスを思い思いに楽しむ人や、雑賀崎の坂道でひと休みするお年寄りの後ろ姿、まちを歩く人の足元と影の面白い造形を捉えたものなど、カラーやモノクロで表現している。
個展に向け、アドバイスしてきた写真家の松原時夫さんは「若い方がこうして写真展を開くのは、うれしいですね。写真は、いいところを見る目が一番大事ですが、彼は瞬間を美しいと感じられる心、いい目を持っています」と話す。
山本さんは「これからも人を被写体に、物語のある写真を撮りたい。どんな形でも、何か人の心に残るような写真を撮れたら」と意欲的に話している。
午前11時から午後6時(最終日は3時)まで。問い合わせは同ギャラリー(℡073・422・6311)。