和歌山をハーブ産地に 農家ら研究会創立
和歌山をハーブ産地にすることを目指し、組織的な取り組みを進めていくため、紀の川市と岩出市を中心とする農家らによる「県ハーブ研究会」(今木史典会長)が10日、発足した。同日、紀の川市役所で創立総会があり、活動方針の決定や役員選出などを行った。
同研究会によると、ハーブ産業は国内では一部の企業がほぼ独占しており、販路や流通が未整備だという。和歌山は温暖な気候に恵まれたハーブ栽培に適した地域であり、ハーブの面積当たりの収益は農作物の中でも高いとされている。
産地化に向けた取り組みは、発起人の今木さん(55)を中心に本格化。昨年は、那賀振興局が主催する新規就農者らを対象にしたハーブ栽培講習会やハーブを使った料理の試食会を開催した。ことし3月には、ハーブを栽培している「フレッシュグループ淡路島」の圃場を見学に訪れた。
これまでの活動の中で、ハーブ栽培者の販路の確保や栽培技術の向上と品質レーベルの統一化などを課題に掲げ、組織的な活動を展開しようと、研究会を創立。拠点(支部)をつくり、課題の改善を目指していく。
創立総会には会員の19個人、1団体と来賓の計約40人が出席。今後の活動方針として、2024年までを3つに区切り、区切りごとに方針を決定。第1次計画となる2018年までは、事業の確立と組織づくりをテーマに、安定的な農業経営やハーブの消費拡大を推進していくことを決めた。
また、会則の承認や役員を選出。会長に就任した今木さんは「県や農業活性化の一つのツールとしてハーブ栽培を進め、多くの方に広げていきたい」と話していた。