3万人指導のマナー講師 元CA得津さん

日本航空(JAL)のキャビンアテンダント(CA)を務め、現在はマナー講師などとして活躍する和歌山市有本の得津美惠子さん(64)=オフィスSAKURA主宰=の活動が8年を経過し、受講生や研修生は計3万人を超えた。県内初の元CAマナー講師として話題を集め、さまざまな企業や団体から研修の依頼が絶えず、精力的な得津さんの活動は、県内の人材育成を支えている。

同市出身の得津さんは、異文化に憧れを持ち、世界を舞台に業務を行うJALの採用試験を受け、合格。CAとして主に欧州への国際線に乗務するなど、地上職と合わせて約10年間勤務した。

その後は、市内で英会話スクールのマネジャーを務め、厳しい利益確保のノルマを課せられる中、達成に向けて、英会話の他に生徒らにスクールを通じた友人づくりの場を提供するなど、教室の付加価値を高める工夫で乗り越えた経験などを通して、社会人として必要なスキルを培ってきた。

得津さんによる研修の内容は、お辞儀や名刺交換の仕方などのビジネスマナーの基礎から、笑顔の大切さ、自分磨きの必要性、顧客へのアプローチを変える販売促進技術など、多岐にわたる。受講生からは「礼儀だけでなく、人としての在り方を学ぶことができた有意義な研修でした」などと好評の声が寄せられる。

県内で活動する中で、まだまだ他人への感謝やおもてなしの心が育っていないと感じる得津さんは「どんな会社に勤めていても、若い人は悩みが多い。人の一番の魅力となるのは『コミュニケーション能力』。世界で一つしかない、その人個人のブランドを磨き、社会で頑張ってほしい」と若者にエールを送る。

「自分磨きが成長につながります」と得津さん

「自分磨きが成長につながります」と得津さん