12年ぶり「鬼舞」復活 加太えび祭り盛況
加太春日神社(和歌山市加太、井関摩美子宮司)の大祭「えび祭り」が21日、2年ぶりに開かれ、桃太郎がたたく太鼓とかねに合わせて赤と緑の鬼が踊る「鬼舞(おにまい)」が12年ぶりに復活したのをはじめ、神輿(みこし)、薙刀(なぎなた)振りなど約500人の行列が地域を練り歩き、にぎわった。
慶長2年(1597)、神社に獅子頭が奉納されたことが始まりとされる。当初は屋台に大のぼりを立てて町を練り歩いたが、電線が張られるようになってからは引っかかるようになり、大正2年(1913)から現在に近い神輿を担ぐスタイルになった。
鬼舞はかつて、鬼役が厄よけの泥を参加者にかけていたものだが、泥をかけられた人とけんかに発展したことから踊るようになったという。赤と緑の鬼の面を被った演者が手に持った棒をぶつけ合いながら激しく踊り、観衆からは「もっとやれ」と歓声が上がっていた。
鬼舞の他、ことしは獅子舞が1体増えて3体になり、最後に神輿が出発。ことしは地域外からも担ぎ手を集めており、神輿団長の幸前陽二さんは「神輿団には集まってくれてありがとうと言いたい。1㌧の神輿担いで男見せたれ!」とあいさつ。担ぎ手たちは「千歳楽(せんざいらく)、万歳楽(ばんざいらく)」の掛け声に合わせて神輿を揺らし、祭りを華々しく盛り上げた。