徹夜で84キロを完歩 県消防学校で訓練
和歌山市冬野の県消防学校の初任教育第40期生56人が、高野山から同学校までを、夜通しで歩き続ける最大の試練「夜中行進訓練」で、25日に全員無事に完歩した。
今回が25回目。ことしは、一部ルートを変更したことから昨年より10㌔延長。途中で橋本消防本部や那賀消防組合消防本部中消防署などを通る、過去最長の約84㌔になった。
学生らは、24日午前10時半に高野山大霊園駐車場を出発。真夏の炎天下の下、足にできたまめや、長時間の歩行による股ずれなどに耐え、仮眠も取らずに歩き続けた。
ゴールの消防学校付近では丸1日を過ぎた午前10時半、最後の力を振り絞り整列して行進。出迎えた先輩職員らの拍手を受け、厳しい訓練を乗り越え一回り成長した姿を見せて恩返しした。同校の梅本修司校長(59)は、「完歩できたのは、頑張りと団結のたまもの。先輩などさまざまな人への感謝の思いを忘れずに、卒業までの残り1カ月を頑張ってほしい」と激励した。
今回唯一の女性参加だった那賀消防組合消防本部の中川裕美子さん(22)は、「苦しいときも仲間で声を掛け合って乗り越えられました。同行してもらった先輩や教官のような、仲間や市民に信頼される消防士を目指します」と話していた。
学生らは、9月末に卒業式を迎え、その後に各消防本部での勤務を開始する。